投資銀行

どういう縁か投資銀行の知人が増えてきた。通信業界のことならプロでも他の業界は日経新聞程度の知識しか無いことに気がつく。そうなると、恥ずかしくない程度には勉強しようかという気になる。そんなときは入門書から読む。

投資銀行青春白書

投資銀行青春白書

東京ディール協奏曲

東京ディール協奏曲

巨大投資銀行 (上) (ルビ:バルジブラケット)

巨大投資銀行 (上) (ルビ:バルジブラケット)

巨大投資銀行 (下) (ルビ:バルジブラケット)

巨大投資銀行 (下) (ルビ:バルジブラケット)

NHKで人気だった「ハゲタカ」も同じ。投資銀行の仕事というのは小説になりやすいようだ。上の2つは新人の投資銀行体験記。巨大投資銀行は、この10年間の投資銀行の成長の歴史が物語になっている。とくに、バブル以前の80年代から、バブル、バブル以降に外資系の投資銀行が何をしてきたのかがよくわかる。

とかく、外資系の投資銀行に対する日本での違和感を語る論調は多い。とくに日本の金融業界は護送船団方式と言われ、市場で誰かを出し抜く行為など許されなかった時代があった。そのなかで、外資系の投資銀行は、隙間を見つけ、その隙間で莫大に儲けてきた。そんな派手な行為をもって外資がけしからんという意見もよくわかるが、日本の金融業界が時代に大きく遅れたようだ。

いまはどうなのだろう。日本は追いついているのだろうか。

たとえば通信市場は明らかに成熟にむかっている。これまで競争政策を繰り広げてきたことで、さまざまなプレイヤーが山ほど市場には存在する。そのプレイヤー達が生き残るために取るべき戦略はおのずと見えている。そのビジネスチャンスを生かすのは、また外資系の投資銀行たちなのだろうか。それとも、日本のプレイヤーは互角に戦えるのだろうか。通信事業者としては、外資は存在感を示せなかったが、こんな本を読んでいるとあちらの世界ではどうにも違うような予感もする。