Google本で有名になった佐々木俊尚氏の新刊。今回はWinny裁判の顛末を語ることから始まる。それは本書の半分程度。そこから派生して、後半では、この国がデジタル、ネットの世界で米国に先を越された経緯を語っている。当然のことながら、この書が解説している時代を、私もリアルタイムで経験している。しかし、改めて、この10年に何が起きたのか語られると、この国の危うさに気がつかされる。

パソコンで世界に遅れた日本の挽回策がデジタル家電。デジカメやDVDで、デジタルとネットの世界を制覇出来るかと思いきや、「i-Pod」が登場。結局、i-Podが垂直統合型(ネット、デバイス、流通の統合)のモデルで、デジタルとネットの覇者になってしまったという。


「ブロードバンドが安い」とか「光ファイバーが多い」とか、実は、この国は世界と競争しなくて良いドメスティックな分野が強いだけだ。