やっと今頃
米国では"Futurist"と呼ばれる人たちがいるようだ。このジョージ・ギルダーの影響力もかなりのようだ。
- 作者: ジョージギルダー,George Gilder,葛西重夫
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2001/11
- メディア: 単行本
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ジョージ・ギルダーの基本的なモノの見方は、本当はシンプル。これからの世の中で「豊富」に出現するものが世の中の方向を決めるという。「光通信技術」により、ほぼ無限とも言えるブロードバンドが出現する。そうなると、OSIの7階層など意味が無くなるという。いわゆるレイヤーの中間層は、通信メーカーの食い扶持が無くなるから、意図的につくりあげているとまで語る。
たしかにそのとおりだ。回線交換の時代には、ほとんど聞くことが無かった、QoSという専門用語。これはパケットが混在している状況で、音声のようなリアルタイムを要する通信を優先的に疎通するというもの。NGN、WiMAXなど、新しい世代の通信ネットワークの優れた特徴のように説明される。
しかし、このQoSが必要になるのは、ネットワークが混雑していることを前提にしている。有り余るほどの大容量のネットワークであれば、音声を優先するためのフラグは不要だ。同様に、MPLSのような技術も短期的に存在している技術ということになる。
NTT東は、WDMの宅内装置を2010年に商用化するという記事があった。そうなると、本当に家から「光」だ。それは、光ファイバーという意味ではない。まさに、通信が「色」になって光ファイバーのなかを縦横無尽にかけめぐるということなのだろう。
そう考えると、NGNすら怪しい。数年しか持たない「次世代」かもしれない。
ちなみに、この本は2001年発行。アマゾンが無ければ、とても見つけられなかった。