またもや2.0

さすがに「何とか2.0」には食傷気味。総務省まで「ビジネスモデル2.0」などとの表現を使い始めている。どうやら、「2.0」と使うときには、少し前の状態から少しだけ進化した姿を「2.0」という言葉に託している。

ただ、この2.0を使って何かを表現しているのを見ると、「新しいトレンドを表現している言葉のわりには創造性や独自性に乏しい」ように思えてしまう。

渡辺千賀さんの「ヒューマン2.0」。題名を見た印象は「ヒューマンまで2.0・・」。シリコンバレー発のブログ"On Off and Beyond"の作者でなければ、決して見向きもしなかった。

ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない) (朝日新書)

ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない) (朝日新書)

しかし、いつもブログが面白いので、アマゾンにて購入。文章表現の適度な柔らかさ。たいへん読みやすく、楽しい。内容は、シリコンバレーでの新しいワークスタイルをすごしている人々の行動観察と、そこから得られる示唆。長くて3年程度で会社や仕事を変えてゆく、ときには1年程度は仕事が決まらない。そんなワークスタイルから、新しい働き方が生まれる。

たとえば、組織に属さず契約ベースで働くフリーランス、複数の仕事を同時に行なうポートフォリオワーカー、働く期間と休む期間を分割するチャンクワーカー、住む場所にこだわるライフスタイルワーカーの4つの分類が「2.0」の働き方。

何だか、日本の会社組織も変化が激しくなり、人の流動化も頻繁になってきている。さすがに、シリコンバレーほど、割り切った姿ではないだろうが、こんな働き方も身近になるのかもしれない。


もちろん、そのときには「2.0」という言葉は死語になっているに違いない。