産消逆転

野村総研が「産消逆転」という新語を使い、家庭と企業の情報通信環境が逆転するトレンドを表現しはじめた。
この現象はまさに実感として存在する。たとえば、

  • 家庭のBB回線のほうが、会社で利用する通信回線よりも遥かに高速でストレス無くつかえる
  • 家庭であればあらゆるウェブツールを自由に利用できるが、会社ではダウンロードに制約が多い
  • 家庭であればメールは自由に利用できるが、会社は情報漏えいをおそれ監視されている
  • 家庭では最先端の携帯端末を利用できるが、会社で支給される携帯端末は2年前のものを使いつづけている

顧客情報漏洩などが多発する時代だ。企業の「セキュリティ」はさらに厳しくなるだろう。そんな窮屈な状態で生産性はあがるのだろうか。少なくとも、つまらないツールを使っていると創造性はグッと低下する。おまけに監視されていると思えば精神的に萎縮する。誤解を招きそうな行動に対するモチベーションも失われる。会社のOA機器は飾りに成り下がる。

そうなると、個人的な用事に関しては、ラップトップを持ち歩き、GoogleツールたちやWiFiなどの通信環境を利用せざるを得ない。個人のケータイも必要なので、1人2台ケータイを持つのが当たり前。ラップトップとケータイの2つの機能をあわせたスマートフォンが流行始めるということも想像できる。

「産消逆転」が伝えようとしているトレンドについては間違いなく正しい。また自分の行動のひとつの背景にもなっている。しかし、「産消逆転」というフレーズ・・・。実にセンスが悪い。

これでは、世の中の人たちにこの動きあは伝わらない