歪みを誰が直すか

世の中にお金はあり余っている。つねにその行き先を探している。そのお金の行き先を決める仕事が投資ファンドのようだ。

投資ファンドとは何か 知っておきたい仕組みと手法 (PHPビジネス新書)

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ここ最近の事例では不動産ファンド。期待できる家賃収入の将来価値に比較して割安な不動産物件をファンドが購入。結果として、利ざやを稼ぐことができる。ただし、最近は、不動産価格があがり、利ざやが見込まれなくなってきた。

そうなると、金は次の行き先を探す。それは本当の価値と時価との間に歪みがある分野だ。そこに機会が生まれる。ゴルフ場など良い例だ。造成に100億円かけた物件では、論理的に「もと」がとれない。そういう商売をしていれば、やがて倒産する。しかし、倒産したあとで、同じ物件を10億円で購入できれば、リスクを見込んでも、ほぼ確実に「もと」がとれる。そんな歪みに大胆に資金を注入してゆく。

この国は上記のような活動に完全にオープンだ。そうなると、歪みのあるところに集まり、素早く行動するのは、経験豊富なグローバルの投資ファンドである確率が高い。

伝統的な価値観にこだわった非合理な事業運営を続けていると業界に歪みが生まれる。そんな兆候があちらこちらに見える。