NGNでどうかわるのか

NTTのNGNはNTT東西が構築するIP網。NGNはインターネットとはNNI(他網との接続インターフェース)で接続される。

ISPとの関係
ISPはインターネットの出入口を提供する通信事業者。これまでは価格と接続の速さ(サクサク感)を差別化の要素としてきた。現在ではメールアドレスなどのドメイン名で顧客を囲い込み。その構造上の問題は平均的な加入者のトラフィックを前提にネットワークを構築しているということ。一般的に月額定額料金なので、加入者が増えない限り収入を増やすことは難しい。その一方で、映像などの大容量コンテンツが流通しはじめ、ネットワークの増強がつねに必要となる。

NGNはこのISPが抱える問題を解決するIP網。NGNのなかだけでトラフィックがエンドエンドで流れるのであれば容量やコンテンツに応じた課金ができる。それは必ずしもトラフィックに応じた従量制課金だけではなく、ネット料を含む番組視聴料であったり、広告込みでコンテンツとネット料無料などのバンドル型の料金かもしれない。

ただ実態としてNGNのなかだけでトラフィックが完結するのか?という疑問が残る。既存のインターネット側にコンテンツが存在すると、上記のような帯域制御や課金は難しそうだ。したがって、アプリケーションとのインターフェースであるANI(SNI)でNGNとコンテンツプロバイダーが接続することが条件になりそう。

しかし、ジャンクなコンテンツのすべてがANI(SNI)で接続してくるかというとこれも疑問。NGNは良質、インターネットは雑多。NGNは有料、インターネットは無料。NGNは安全、インターネットはリスク承知で・・。という感じでNGNとインターネット、ISPは共存しそうだ。

ただ、そもそもISP事業は持続的なのかという点は気になる。社会がインターネットを維持したいのであれば、NGNを期にコスト負担の仕組みを整え直したほうが良さそうだ。ネットワークの中立性は良いが、誰かがコストを負担しなければならない。広告がスポンサーといっても良質なものにしか金はださない。

(続く)と思う。