ネットとKJ法

川喜田二郎氏の「発想法」。日本の発想法の古典。

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))

川喜田二郎のイニシャルから名付けられたKJ法。これは世界に広まっている。このKJ法は野外科学から生まれた。観察したことを記録する。その種々雑多、多数の記録の整理の手法がKJ法ブレインストーミングKJ法、パート法の順で使うとよいと説明されている。考えを発散させる、引き出すのがブレインストーミング。それを整理し組み合わせのなかから発想するのがKJ法。具体的な行動計画を策定するのがパートだ。

この本を読み進めるなかで、気がついたことがある。KJ法の手法はネットで起きている記録や整理のツールと同じということ。KJ法の開始は複数の人間がテーマに基づき、自らの発見や考えについて自由に話す。記録係はその話に含まれるエッセンスをそれぞれ一行でカードに書き出す。ひとりの話で何枚ものカードができる。そしてそこで作った大量のカードを整理し、組み合わせ、固まりの意味を考えることで発想する。これをネットとの関係で考えると。

つまりネットの世界を野外活動と考えると、そこにある情報や知の整理にKJ法の考え方が役立つ。むしろ逆に、ソーシャルブックマーク、タグという手法は大量情報整理の本質。KJ法が伝える方法と同じことが当たり前と言うべきか。