オープンソースとインディーズ

子供が「BECK」をTsutayaでまとめて借りてきた。最近は漫画など読むこともないが、BECKは映画になっていたので名前は知っていた。

BECK(1) (KCデラックス)

BECK(1) (KCデラックス)

読み始めれば、いつものとおりはまる。あっという間に34巻全巻を読み終わる。映画も観にいきたいところだが、すでに上映はしていない。レンタルビデオを待つ。

BECKという名のインディーズのバンドが成功してゆくストーリー。インディーズのバンドを取り巻くさまざまな世界が描かれる。このインディーズバンドのビジネスモデルを面白いと思う。

彼らは基本的にはバイトをしながら生活している。楽器のコストは初期投資だが、ランニングコストとして練習スタジオのコストが必要となる。また、ライブを行うと機材を運んだりするバンを所有しているので、交通費や宿泊費などもコストとなる。このコスト負担はそれなりに重いようで、バイトをして賄っている。やがてライブの常連となると「物販」も行う。自主制作のCD、バンド名入りTシャツ、ステッカーなど。ライブ会場で販売する。

CDを作るのにもスタジオやレコーディングエンジニアのコストがかかる。CDが売れれば印税が入るのだが、インディーズのうちは広告費用、流通チャネルが限られている。そのため、数千枚という単位が普通。コストを回収できる水準まで売れれば成功なのだろう。やがて、大きなライブなどでファンから支持を集め、メジャーレーベルと契約することで初めて大きな儲けとなる。

オープンソースのビジネスモデルについてまとめてある。
http://businessnetwork.jp/Portals/0/SP/gemini/04_01.html
ここでは自分たちの視点から、そのビジネスモデルを観ている。

しかし、コミュニティにより開発される「本物の」オープンソースは、実はこのインディーズのビジネスモデルに似ているのではないかと思った。コミュニティで開発をする人たちは学生であったり、別に仕事を持ち、空いた時間を利用してプログラムを書く。片手間な開発者ばかりではなく、それを専門とするプロもいる。霞を食べている訳ではないので、コミュティを運営するコストも必要になる。うまく運営されているコミュニティは、スポンサーがいたり、ソフトウェアを利用して恩恵を得た人たちの寄付で運営されたりしている。また、もうひとつの収入源は、このインディーズと同じく物販。ロゴの入ったTシャツやマグカップなどをネットで販売する。

オープンソースとインディーズ。まったく関係ない事象のようだが、何かが共通している。