面白いけれども、オススメしない

この夏の課題がやっと終った。韓流ドラマDVD全41巻約160話制覇。1巻約2時間なので80時間以上を費やす。確かに面白い。間違いなく途中からストーリーに引き込まれる。そして、とまらなくなる。平日でも帰宅後3巻、計6時間、平気で観ることができる。160話という長いストーリーにもかかわらず、随所に布石が打たれており、計算されて作られていることが伺われる。数多くの登場人物がいるが、全ての関係がつながる。現実離れしている設定なので感情移入こそしないが、純粋に主人公を応援してしまう。主人公達は美しい。

しかし、オススメしない。この夏の80時間はもはや修行と化し、とにかく最後がどうなるのかが気になり、次々と巻を進めた。近くのレンタルショップで100円キャンペーン。全41巻で約4千円。コストは大した問題ではない。ハッピーエンドに違いないとわかっているが、そこに至るまで試練が続く。次の巻が気になる日々。夜更かしをする習慣がつき、朝早く起きることができなくなる。余裕を持って会社に出かけられなくなる。9月にたくさんある休日をテレビの前で過ごしてしまう。こんな話を見なくても、楽しい人生を送ることができる。そう考えると、面白いから、ぜひ観れば、などとオススメする気は全く無い。そして、そもそも、昼ドラのような韓流ドラマをオヤジがオススメしている構図も、かなり恥ずかしい。

そもそもは、家内の友人の韓流ドラママニアからのオススメで始まった。こちらは、「冬のソナタ」、「美しき日々」、「チャングム」、「オールイン」、「ホテリア」を観た程度。その友人の韓流ドラマベスト3として家内が教えられたのが「がんばれクムスン」。

http://www.fbs.co.jp/gumsoon/img/img_main.jpg

数年前にテレビで放映されていたような記憶もあるが、ベタな題名で全く関心をひかず。きっとオススメを受けなければ絶対にトライしなかったはず。しかし、その友人の言葉を信じて、家内がDVDを見始めた。家族は面白ければ一緒に見ようと、チラチラと伺う。

しかし、あまりのチープさ。あきらかにスタジオのセットとわかる部屋の風景。いまどき、部屋の窓から見える風景を写真で置き換えるようなチープなセットのドラマとは。夕方から夜の設定で話が進んでいるにもかかわらず、ロケが昼間だったためか、妙に外が明るい。おかげで、朝なのか夜なのか、よくわからない。夕飯の準備をしなさい、との会話で、いまは夜の設定なのかとわかったりする。

さらにすごいのが、クムスンという名前の主人公。林家パー子のような装いで、つねに慌しくドタバタした姿で動きまわる。その安っぽい化粧と容姿も凝視できない。最初は興味深々だったが、こちらは、すぐに映像に目を向けなくなる。

がんばれ!クムスン DVD-BOX 1

がんばれ!クムスン DVD-BOX 1

家内はこのひどいDVDをまさに「がんばって」見続ける。その友人にも、本当に見続けて大丈夫かと相談したりもする。しかし、絶対に面白いという言葉を信じて巻を進める。家内には、面白くなったら見るから、報告してくれと言っておく。

やがて、家内が面白くなってきたという。こちらも一緒に見始める。そして、はまる。以前としてセットはチープだが、まったく気にならなくなる。橋田壽賀子の韓流ドラマ版かなと言いながら。やがて、主人公のクムスンが、どんどん綺麗になっていく。心の美しさ、その一生懸命さが際立ってくる。こちらも本気で応援し始める。

全巻観終わるまでネットで調べることをしなかった。調べてみると、この「がんばれクムスン」が高い視聴率をとっていたことを知る。さらに、クムスンの女優がかなりの美人なので、驚いた。林家パー子のような化粧、洋服、仕草はもちろんだが、やや猫背、O脚、がに股、太めの足、これらがすべて演技や演出だったようにも見える。


次に何を観るかと、家内と相談を始める。早速、家内はその友人にメールを送っている。