DNA

読売新聞にプードルとの生活について書かれている特集が面白い。プードルはかなり大型犬。人と同じ大きさの写真。これだけ大きいとかなりの存在感がある。わが家のジジは、トイプードルなので、随分と小型。片手で抱え上げることができる程度。しかし、そのプードルの飼い主が描いている特徴は、ジジと全く同じ。まさに、DNA。

「キュキュ」と音が鳴る犬のおもちゃ。ジジも大好きだ。これは、プードルが鳥を狩猟する犬であったことに由来するらしい。獲物である鳥を加えて、鳴く音を想像して、興奮するらしい。ジジも、そのおもちゃを持ってきては、「投げてくれ」と催促する。廊下に投げると、嬉々として、ものすごいスピードで走り、口にくわえて戻ってくる。そして、また「投げてくれ」と催促する。その時に、「キュキュ」と音をさせてやると、興奮が抑えきれなくなる。投げる前に走り出してしまう。

小さいぬいぐるみも好きだ。そのぬいぐるみをくわえると、かならず振り回す。これも、鳥をくわえて振り回す仕草らしい。

小さな布袋にボールを入れて、投げてやる。その布袋からボールを取り出そうと、噛みながら、振り回す。中からボールが取れると、満ち足りた仕草をする。これも、獲物の内臓を食いちぎるイメージだ。

ジジのボールがソファーなどの下に潜り込んでしまうこともある。その穴蔵に一生懸命、鼻を突っ込み取ろうとする。自分で取れないとわかると、前足でソファーをカリカリし始める。時には、めずらしく、ワンワン鳴き始める。近くにいる家族の顔を見て、目で訴える。近くに誰もいないと、呼びにくる。そのあとに着いて行くと、ボールが潜り込んだソファーの前で、「ここにある」とばかりに、カリカリ始める。まさに、獲物の在処を飼い主に教えようとしているかのようだ。

ジジはめったに吠えないが、消防車のウーという音には本能が反応してしまう。仲間の遠吠えと思うらしい。この音が聞こえ始めると、少し首を傾げ、窓側に走り寄り、抑えきれずに、ワンワンと始まる。マンションなので、他の方に迷惑にならないよう、家族はみんなでジジをしかったりする。ジジは基本的にお利口に過ごすが、この本能だけは直せない。家族も、しょうがないなと思いながら、片手で抱き上げる。

新聞に書かれたプードルの仕草。トイプードルとは大きさも全く違うし、もちろん飼い主も違う。しかし、まったく同じ行動をしている。これぞ、DNAがなせる技。「人」にもこんなことはありそう。きっと、理由のつかない行動があるのだろうなあ。

起源については不明な部分が多いが、フランスで人気を博したことでフランス原産とされている。プードルは泳ぎが得意でもともとは鴨猟の回収犬として広く用いられていた。その後、フランスやイギリスなどで小型化を重ね、ミニチュアプードルやトイプードルが作り出され、愛玩犬となった。

プードル