オーラの泉 小室哲哉

オーラの泉小室哲哉が出ている。小室哲哉は同世代。デビュー当時に小室哲哉をテレビで視たとき、楽器店に入り浸り、店に展示してある楽器をすごく上手に弾いていたりする、カッコいいお客さんの姿に重なった。彼の語る通り、この世代は富田勲シンセサイザーがブームになった。とはいえ、同じ世代でシンセサイザーを買ってしまうというのは、当時は相当に熱心でないと踏み切れない。その行動を迷わず起こせるだけの恵まれた環境にあったのかと思っていた。

しかし、彼は楽譜が読めないと語ったのには驚いた。コード譜程度しか読めないという。これでは、フォークソングの本でギターコードをかき鳴らしていた、自分の周りの仲間と何ら変わることがない。小さいころからピアノを習い、その技術や知識、経験が、彼を若くして成功に導いたのでは無かった。理論や教育よりも感性が彼を支えていた。

そのあとの話しが悲しい。忙しい時期に眠る時間無しに曲を作ったなどというのはわかる。しかし、スタッフが彼の稼ぐ金をばら撒いており、それを彼が知らなかったことのように話す。彼の才能に群がり、奪い取っていく人たちがいた。

彼は自分の霊能体験も語っていた。そんなこともあろうという程度にしか聞こえなかった。そのことよりも、彼の顔が、われわれの同世代と同じように、太り、丸くなっていたほうが目を惹いた。彼のように大成功したように見えても、同じところに行き着く。いつまでもシャープなままではいられない。柔らかくなってゆく。