腑に落ちるリーダーシップ

他の人には見えないものを見て、先頭に立ちそれを目指す。ふと振り返るとフォロワー(応援する人たち)が後ろに続いている。結果としておとづれる、その状態がリーダーシップ。目指しているものを明確な言葉にできないこともある。何となくということも多い。それは見ようとしていれば見えてくる。実現への強い気持ちがあると、偶然の出会いにつながる。「私の履歴書」にあるとおり、数多くのリーダーが偶然の出会いに助けられたと語る。最初は利己(自分のため)にリーダーシップの旅を始める。多くの人からの偶然の出会いや助けを経て、「利他(他人のため)」に目覚める。利己と利他が渾然一体となる。「世のため、人のため」は後からでも良い。そう考えれば「すごいリーダ幻想(リーダーシップは特別な人だけのもの)」に陥らない。


リーダーシップの旅  見えないものを見る (光文社新書)

リーダーシップの旅 見えないものを見る (光文社新書)

  • リーダーシップは旅に喩えることができる。旅に出るには、少しの勇気がいる。
  • リーダーは気がつくとリーダーになっている。ふと振り返るとフォロワー(後に続く人たち)がいる。
  • リーダーが前を進むのは、他の人には見えないものが見えているため。
  • 見えないものを見るためには、見ようとすること(明確な言葉や形にできないことも多い)
  • 「偶然」の出会いに導かれることも多い。何かを実現したい真剣に目指していると、自然に助けが現われる
  • 管理職はマネージャであり、リーダーではない。フォロワーが増えてくると、リーダに続くフォロワーの組織を維持することが目的となる。そもそも、マネジャーの役割は組織を維持すること。
  • 組織においてリーダーであるためには信頼の蓄積が必要(信頼されなければ誰もついてこない)。しかし、信頼を積み重ねることが目的になるという過ちを犯しがち。指示や頼まれた仕事を引き受けるだけ。改革や創造の先頭に立てなくなる。
  • 怠情な多忙(「アクティブ・ノンアクション」)。多忙でも、何も成し遂げていない状態。忙しいことがリーダーシップではない。むしろ、むかうべき道を構想する時間が無くなるという点ではマイナス。
  • リーダーシップは利己(私利私欲)から始まっても良い。ベンチャーから身を起した実業家も最初は利己(自分の利益)のため。やがて、「利己」と「利他(他人のために尽くす)」が渾然一体に。「自分のため」が「人のため」、「人のため」が「自分のため」になり、リーダーとなる。
  • リーダーシップは暗黒面も持つ。ヒトラーなどは、ひとつのコミュニティの利益を実現するリーダーではあったが、その力を暗黒面で発揮。