ボストン美術館

ボストン美術館に到着。ただ、実は、ここはボストン美術館、すなわち、Boston museumと呼ばれる場所では無かった。正式には、Museum of Fine Art。駅名まで、そうなっている。日本の空港で買ったガイドの地図には、駅名がArt Museumと間違って記載されている。駅を探すことにも苦労したし、駅についてからも、本当にここがボストン美術館と呼ばれる場所なのか、自信が持てなかった。

ボストン美術館は、写真で良く見る石造りの荘厳の建物が表にあるものの、その横にかなり近代的な建物が建てられ、そちらが入り口になっている。これまた、やや不安にさせる。違う場所でもよいかと入ってみれば、そこにいる観光客の数で正しかったことがわかる。

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さて、美術館の中を歩き回る。とにかくあらゆる時代のあらゆる美術品があるという印象だ。大英博物館と同じ。堪能するためには、とても半日程度では無理。何か目的を決めないとさっと見るだけに終わる。

ただ、あまりにも多くの古代からの展示品を前に思わず考える。アメリカは、この数々の品々を買い漁ったのだろうと。大英博物館のときにも同じ印象を持った。大英博物館では、英国は、その昔、自ら古代エジプト、ローマ、ギリシアなどの品々を発掘して、持ってきてしまったのだろうなと。たとえは悪いが泥棒に近いような感覚。しかし、米国は自ら発掘したというよりは、大富豪が世界から買い捲り、最後は美術館に売ったか、寄付したか、なのではないか。それだからけしからんと言う訳でもない。もし、これらの品々が、こうして管理の行き届いた空間に集められなければ、いつかは壊れたり、風化したりしてしまったかもしれない。そう考えると、そのとき、そのときで豊かな国が負っている義務のようなものでもあるのかもしれない。

日本の展示場所では、江戸時代などの美しい細工が飾られている。戦後に持ち出されたのだろうか。しかし、面白いのが、現代美術の展示場所。その入り口の最初のスペースに、日本の現代芸術が紹介されていた。私が知っている名前は、村上隆くらいしか無いが、アニメ風の作品がさまざま展示されている。こちらで日本のマンガが評価されているという話しと符号し、ここまできているのかと妙に感心してしまう。

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