オフィス移転か

リストラ後の沈んだムードが一息。新しい案件が次々と飛び込む。これまで仕込んでいた件が実を結びそうであったり、全く予期せぬ案件が突然、欧州で成約したり。その一方で進行中の案件は、かなりのリソースをつぎ込んでいるにも関わらず、作業が遅れ気味だったり。以前より、恵比寿のこのオフィスは商売運が悪いのでは無かろうかと話していた。現に、オフィスの1階の寿司屋は閉店、地下階のいくつかの店も閉店するという。風水からしても良くないのだとか。

頭数が減ったこともあり、現状のオフィスの坪数は広すぎるであろうということで、新しいオフィス探しに時間を使う。かなり多くの空き物件ある。また、賃料も下がっている。現状のオフィスに残っているのは、日々、無駄な支出をしているに等しいと幹部の考えがまとまる。この1、2ヶ月、内覧も含めて数多くの物件をあたってみる。

残念なことに、恵比寿の物件は広さが折り合わなかったり、古かったり、予算に適当な賃料で無かったりと、なかなか見つからない。そこで、渋谷にまで候補探しを広げてみる。いくつもの候補から、絞り込み、内覧もしてみる。

そのなかで、ひとつ良い物件が見つかる。広さ、賃料ともにぴったり。おまけに新築。条件的には全く問題が無いので、何をトリガーとして決定しようか迷う。そもそも、商売運向上のためのオフィス移転だと思い出し、風水の先生に見てもらう。方角は良い、しかし、高速道路の側の物件は止めた方が良いというアドバイス。ネットでも調べてみると、道路は川の流れに例えられ、その流れが早い高速道路は、気を奪われるとか。そこで迷う。

しかし、この土日、高速道路を車で走っていると、ふと、高速道路沿いのビルやオフィスなど、無数にあると気がつく。このビルやオフィスのすべての風水が悪いということは無かろうと割り切る。

そして、もうひとつの決めてを探す。これは、社員の意見だろうと考える。そして、急遽、有志による下見ツアーを行う。全員からのフィードバックは良。この決めてで、契約手続きを開始する。もちろん、条件が折り合わなければ、最終決定には至らない。ただし、こうなると、決めたくなる。唯一、後ろ髪を引かれるのが、恵比寿を離れるかもしれないこと。街の適度なにぎわい、昼飯、夜の充実感。これは未だに、未練が残る。