コンサルタントの危ない流儀
ネットでの書評を見かけ、アマゾンで購入。
コンサルタントの危ない流儀 集金マシーンの赤裸々な内幕を語る
- 作者: デイヴィド・クレイグ,松田和也
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2007/03/09
- メディア: 単行本
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20年間コンサルティング業界に勤めた筆者の内幕本。グローバルレベルのコンサルティング会社が、いかにしてクライアントから300万ドル(3億円か)もの高額のコンサルティングフィーを獲得するかについて。問題提起は、それだけの高額のフィーに値しない仕事やコンサルタントが多いということ。また、コンサルティング会社を使うような経営者は、高い給与をとりながら、経営者としての責任を果たしていないという指摘。仮に、コンサルティング会社を使うのであれば、本当に必要な課題で、自ら解決できな場合においてだけ、充分に調べたうえでコンサルティング会社やコンサルタントを選べと提案している。
「解体屋」と呼ばれる種類のコンサル。どんな会社に対しても、「無駄が30%、人員削減すべし」を提案。それはコンサル会社が高いフィーを得るため。このリストラの結果、有能な人員を失い、倒産にまで追い込まれる、若しくは建て直しに苦労する例も少なく無い。そのコンサル会社は、2度と出入りできなくなる酷い状況さえある。
この本で書かれているコンサル会社の数々の手口、クライアントを丸め込む方法、・・・・、似たような体験も否定できない。クライアント側の担当者として、すべての手口に思いあたる。同じことだって出来そうだ。
しかし、コンサル会社が経営者から強い信頼を得ている場合には、どうにもならない。結局、担当者としてできることは、少しでも多くコンサルタントの頭と手を働かさせ、払った金額に対するモトが取れるよう努力することか。
馳星周の歌舞伎町で繰り広げられる中国マフィアのフィクションを読んだときのような読後感。おもしろいが闇は深い。