遊びとスポーツ
これまでの不義理を改め、会費を納めたところ送られてきた季刊誌。「HQ」秋号。
「遊び」について特集している。
「遊ぶ」
それぞれの専門家が、さまざまな角度から「遊び」についてエッセイを寄せている。特に面白かったのが、「遊びとスポーツ」。思い当たることがたくさんある。
ホイジンガによる遊びの定義:自由な活動。「もうやーめた」と言ってやめることができなければならない。さらに、実生活以外の虚構においておこなわれ、時間・空間的に日常生活から分離(たとえば、将棋)
ホイジンガによる遊びの類型
- 競争(アゴン) : スポーツなど
- 模擬(ミミクリ) : 仮装、演劇など
カイヨワによる遊びの類型(ホイジンガの類型に追加)
- 偶然(アレア) : 宝くじなど
- 眩暈(イリンクス) : バンジージャンプなど
そして、それぞれの類型はそれに向かう態度によって大きく2つの極に別れる。
- パイディア: 気晴らし、統制されていない騒ぎ、無邪気な発散
- ルドゥズ: 目標に向かって努力、忍耐、統制
このパイディアからルドゥスへ、ミミクリ、イリンクスという非計算の遊びから、アゴン・アレアの計算の遊びへのプロセスは、「未開社会から近代社会へ」という社会発展のそれを根底に見ることができる。
人は知覚の破壊やパニックを好むものから、明晰な理性や肉体をコントロールすることに喜びを見出すようになるという。
つまり、スポーツとは:「まさに理性と肉体をコントロールするなかで生まれた遊びの一形態」であった。
ゴルフなど、まさにそのとおりだ。競争(アゴン)、偶然(アレア)・・・。
ただ、意外なことに、仕事だってあまり違わない。眩暈(イリンクス)だって結構味わえる。ついでに、「実生活以外の虚構」と言われれば思い当たるような気分になる。「もうやーめた」ができれば遊びと同じことだ。