遊びとスポーツ

これまでの不義理を改め、会費を納めたところ送られてきた季刊誌。「HQ」秋号。
http://www.hit-u.ac.jp/hq/images/hq-013.jpg

「遊び」について特集している。
「遊ぶ」
それぞれの専門家が、さまざまな角度から「遊び」についてエッセイを寄せている。特に面白かったのが、「遊びとスポーツ」。思い当たることがたくさんある。

ホイジンガによる遊びの定義:自由な活動。「もうやーめた」と言ってやめることができなければならない。さらに、実生活以外の虚構においておこなわれ、時間・空間的に日常生活から分離(たとえば、将棋)
ホイジンガによる遊びの類型

  • 競争(アゴン) : スポーツなど
  • 模擬(ミミクリ) : 仮装、演劇など

カイヨワによる遊びの類型(ホイジンガの類型に追加)

そして、それぞれの類型はそれに向かう態度によって大きく2つの極に別れる。

  • パイディア: 気晴らし、統制されていない騒ぎ、無邪気な発散
  • ルドゥズ: 目標に向かって努力、忍耐、統制

このパイディアからルドゥスへ、ミミクリ、イリンクスという非計算の遊びから、アゴン・アレアの計算の遊びへのプロセスは、「未開社会から近代社会へ」という社会発展のそれを根底に見ることができる。

人は知覚の破壊やパニックを好むものから、明晰な理性や肉体をコントロールすることに喜びを見出すようになるという。

つまり、スポーツとは:「まさに理性と肉体をコントロールするなかで生まれた遊びの一形態」であった。

ゴルフなど、まさにそのとおりだ。競争(アゴン)、偶然(アレア)・・・。

ただ、意外なことに、仕事だってあまり違わない。眩暈(イリンクス)だって結構味わえる。ついでに、「実生活以外の虚構」と言われれば思い当たるような気分になる。「もうやーめた」ができれば遊びと同じことだ。