若者はなぜ3年で辞めるのか

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

うまいタイトル。思わず手にとってしまう。内容は年功序列が崩壊しているというものだ。

年功序列が機能している時代は良かった。どんなに優秀な若者でも、「そのうち偉くなって収入もあがるので、いまは我慢しておけ」が成り立った。しかし、いまは、よほど保守的な企業でないと、そのルールは通じない。給料もあがらない、偉くもなれない、偉くなっても隣の隣に座っている課長や部長程度・・・。これでは、サラリーマンという「レールから外れる」若者が増えるわけだ。

ただ、この本の一方的な見方に欠けている点があるとすると、サラリーマンにも意味がある(あった)ということだ。
会社名やブランドが、自分が何者かを代弁してくれる。それにより、個人では到底広がらないネットワークを作ってくれる。洋服と同じく、身だしなみ的な役割も果たす(「自分らしくない」ブランドがついた洋服ならば無印の方が良いかもしれないが)。

しかし、サラリーマンにとって快感なのは、会社名に無関係で「個人の能力」を評価してもらえるようになった時だ。じつは、会社はその機会を与えてくれている。つねに、そのことを意識して仕事をしておくべきであろう。

年功序列など気にならない領域にまで自分を高められれば大成功だ。