ジジのお願い

わが家の食事どき。ジジは食卓の下をうろうろする。わが家では人の食べ物を犬に与えるのは犬の健康によろしくないという説を信じている。だからドックフードしか与えない。私はドックフード会社のマーケティングに違いないと本当は疑っているのが。だからジジは食事のおこぼれをもらえることはない。
わが家ではときおりソファでおやつなど食べる。ジジは必ずそばに寄ってくる。一心に口元をみつめる。鼻をひくひくしている。甘い匂いに耐えられない様子だ。この意地らしい姿にこちらも耐える。じっと見つめられるとゆっくり味わえなくなる。いそいで口のなかに隠す。
しばらくジジはゆかに鼻をこすりつけている。においを嗅ぎながら何かを探している。たまに発見できるせんべいの破片ぐらいは大目にみよう。