考具

知人からいただいた本。「考えるための道具」を意味する本のタイトル。著者は博報堂に勤務する企画マン。さすがプロ。このタイトルだけで思わず本を手にとってしまう。

考具 ―考えるための道具、持っていますか?

考具 ―考えるための道具、持っていますか?

この本の素晴らしい点は、アイデアを山ほどだしてから絞り込み企画にするプロセスまでを順を追って説明しているところにある。日常、どうやって情報を集めるか、テーマが与えられたらいかにアイデアを出すために行動するか、山ほどアイデアをだしたら、そのフィージビリティを検証し、人に伝え採用してもらう企画にするためにはどうすれば良いのか・・。それを語りかける文章のうまさ、構成のおもしろさで読ませる。

ただし、読み終わって振り返ってみると、実はこの本で披露されているアイデアの出し方については、いずれもが他の本でも紹介されている手法に類似していることに気がついた。このことは、とても重要だ。著者は自分の体験や学びのなかで身につけ、成功してきた「自分の発想法」を紹介している。が、実は、その方法は古今東西、過去から蓄積されてきているものと同じだと言うことだ。

幹にはしっかりとした芯を通し、その枝葉の独自さで読ませる。これがおもしろい本の秘訣だろう。