ベンチャー

「失敗から学べ! 社長失格の復活学」。一時期はベンチャーの星ともてはやされたハイパーネットを倒産させ、負債総額37億円を抱えたベンチャー経営者の本。ベンチャーとは、スタートアップ(起業)とは、そもそも会社とは、経営とは、経営者とは、という問いに対する答えが見つかる。

失敗から学べ!「社長失格」の復活学

失敗から学べ!「社長失格」の復活学

スタートアップし、ベンチャーであるということは、徹底的にリスクをとって、ハイリターンをねらうということ。そのため、10のうち、9以上は失敗するという。しかし、成功すれば、何十倍というリターンが得られる。リスクをとらず、企業を存続させてゆくことがねらいであるならば、それは、単なるオーディナリー(中小企業であり、ベンチャーキャピタルも投資はしない。

ベンチャーという観点からすると、会社とは市場経済のなかで金を儲けるためのより効率的な単なる「仕組み」だと言う。会社という器に「必要以上の愛着」を感じ、従業員も経営者も、私生活から仕事まで、会社という単なる器と一体になりがちな、伝統的な企業とは価値観が異なる

そうなると、1割も成功しないリスクの高い事業に投資という形で資金を提供する投資家がモノを言うのは当たり前だ。また、ある意味で、会社は投資家のものだ。そして、会社は器やモノに過ぎない訳だから、売り買いされるのも当たり前だ。

つまり、多くの顧客や、従業員、取引先、株主、債権者を有し、社会的な影響力が強く、簡単には倒産できない企業とは自ずとその存在意義が違うと考えた方がよい。既存企業や大企業ができない、新しい技術、ビジネスモデル、経営手法に挑戦することにこそ役割がある。


この本はそれだけではない。印象的なのは、なぜ、(結果は失敗したが)起業したのかという自らへの問いに対する答えだ。それはこうだ。

ベンチャーを興すことでぼくが欲しかった「なにか」、それは「夢」である。自分の身で体験した「楽しいこと」「感動したこと」、自分の頭で考えた「面白いこと」「驚くべきこと」、そういったものを事業という手段で、友人に、家族に、周囲の人間に、社会に共有してほしい。それが僕の「夢」だった・・・」

「さらに、その夢が成就すれば、周囲や社会から「賞賛され」「感謝され」、そして自分自身が「達成感を味わう」ことができる。しかも結果として、個人のアウトプットが一種の社会貢献になるという、一種の「理念」も達成できる。そうなったら、なんて気持ちがいいんだろう・・。そう、夢の先にはさらにそんな”エクスタシー”を得ることをぼくはもとめていたのだ。」


つまり、ベンチャーや起業とは、相当に強い思いが必要だ。



と、昼から焼酎を飲みながらゴルフをし、夜は麻雀をしながら、思った。