結果をだすために

「使う力」。プロのコンサルタントが教える「結果を出す力」と帯にある本。立派なビジネスマンやリーダーになるには、こんなスキルを身につけるべきと紹介している。これまで外資企業で学んだことと同じ。この本は、それをうまく構造化している。この手のスキルの意味合いを知るための入門書として良いだろう。

使う力 知識とスキルを結果につなげる (PHPビジネス新書)

使う力 知識とスキルを結果につなげる (PHPビジネス新書)

印象に残ったのは、コミュニケーション能力を高める手法。効果的なコミュニケーションの本質は、「意見の結晶化」だと言う。

結果を出すためには、組織の人々が動かなければならない。そのためには、さまざまな意見がひとつの方向に向き、全員が納得して行動に移してゆく必要がある。それを「意見の結晶化」と表現している。当然、リーダーに求められるスキルだ。

「意見の結晶化」をおこなうためには、できる限り自分の伝えたいことをシンプルにまとめることが重要。そのトレーニングとして述べている方法が参考になる。

  • エレベータトーク (エレベータのなかの会話で伝わるように完結にまとめる)
  • ブレット・ポイント (伝えたいことを、A4 1枚で箇条書きで5−7項目にまとめる)
  • 抜き出し (数十枚もあるプレゼン資料のなかから、3〜5枚を抜き出し説明する)

いずれも、シンプルに完結に、かつインパクトがあるように伝えろ、ということだ。特に偉い人は忙しい。そういう方々に短い時間で、効果的にコミュニケーションすることが必要だ。つまり、偶然、エレベーターで偉い人に会ったり、ミーティング時間が急遽短縮されても、的確に説明できるよう思考しておけ、ということだ。

また、「行動=論理×感情」だと言う。

いくら論理が100%で相手を説得できたとしても、相手の感情レベルがゼロであれば、100×0=0で、何にも行動は起きない。そこで、相手の納得感を導くスキルが有効になる。たとえば、資料の完成度を80%に留め、相手の意見をもらい、決定に参加意識をもたせて、最終化するのが効果的だと言う。また、相手が考える論理構造を事前につかんでおき、意見の分岐点にさかのぼれるようにすると良いと言う。

論理に優れ、知識があり、人間力も高い。

こんな立派な人になれれば、仕事が楽しめそうだ。