海外出張に行く前に

 随分と海外出張には行った。最近になって、やっと海外出張を快適に過ごすコツがわかってきた。

 農耕民族型のDNAを有する体には、海外出張はたいへん疲れる。英語だけの会議が2,3日続くだけで相当つらい。プレゼンするともなれば、費やすエネルギーは倍増だ。日本の話を聞きたいという気持ちは良くわかる。この国を語るのは自分の責務だと思い取り組む。終わるとボロボロだ。ソーシャルアクティビティと称する飲み会など楽しめたものではない。


 それだけではない。いわゆる時差ボケ。ビールを2,3本飲んだ勢いで眠りにつく。が、2時間もすると目が覚めてしまう。それからが長い。それも真夜中。外に散歩というわけにもいかない。持って行った本が、おもしろければ救われる。ワクワクしながら朝になる。つまらなければ最悪だ。おまけに、重いし、かさばる。


 この数年、良い方法を見つけた。それは、モバイルPCを持参することだ。このPCにはパンクが山ほどダウンロードしてある。エルレガーデンをホテルの部屋で流し放しにする。さらに、DVDを4,5枚持ってゆく。「24」など最適。自分がいる場所、時間を完全に忘れ、夢中になる。

 さらに、絶対に忘れてはならないのは、3Gのデータ通信カードだ。もちろん、国際ローミング対応。これにより、日本と全く同じネット世界に入り込める。オフィスのメールにアクセスできる。特に、時差の関係で、ネットの向こう側はオフィスアワー。活発にやりとりされるメールを見ていると、これまた、場所や時を忘れる。空港で6時間足止めにあった際にも、全く退屈しなかった。


 もっと世の中が進歩して欲しい。DVDを持っていくのは面倒だ。オンラインで買いたい。ソニーロケーションフリーで、ネット経由で自宅のテレビが視られる。オンデマンドであれば、なおうれしい。それもスムースにダウンロードしたい。モバイルのデータ通信を世界中でもっと早いペースで、HSDPAにして欲しい。WLANでも、WiMAXでも、実は全然構わない。世界中どこでも手軽に使えさえすれば良い。


 と書いていたら、思い出したことがある。請求書の金額を見ていない。