グーグル 破壊者か全能の神か
Google本はどれも面白い。文春新書から最近出版された「グーグル Google 既存のビジネスを破壊する」。「ザ・サーチ」、「ウェブ進化論」と重複を最小限にするように、Googleについてわかりやすく語っている。そして、羽田の駐車場やメッキ工場がGoogleを活用して、いかにビジネスを変えたかという具体例を使い、その力が社会に及ぼす影響をわかりやすく伝えている。
グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/04/20
- メディア: 新書
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こうしてみると、作者の力量にも左右されるが、Googleという素材が、極めつけに面白いのだろう。いわゆる、「物語」になる素材なのだ。例えば、
- 天才少年たちが、好きで始めてしまった
- 世の中はどうあれ、自分たちを信じ続けた
- 先人の力を借りて、成功への道を手に入れた
- それも急激に
- そのため、多少、粗(アラ)もある
- つねに良き好敵手が存在する
- われわれの身近な風景をかえそうな予感をさせる
- 夢物語的な未来を語れる
- 監視社会などに対する恐怖感を煽れる
- 服部真澄氏のような国家の暗躍まで
なんと言っても、素材が良いので、洋風にも和風にも調理できる。スターウォーズのようなSF物語にも出来るし、ビルゲイツ、マイクロソフトのような成功物語にもできる。
さらに、この本から得られる情報の価値も高い。本のなかでは、Business2.0誌記事 "Google is the media"に焦点を絞って紹介されている。しかし、通信ビジネスの世界では、"Google is the Internet"も価値が高そう。もちろん、「破壊者か全能の神か」という本の帯にあるような物語が好きな方には、"Google is the God"。これは行き過ぎかも知れないが。
ちなみに、本日時点で、Googleで「グーグル 破壊者か全能の神か」を検索しても何も検索されない。