ジジは犬だ。およそ1ヶ月前に目白のペットショップで出会った。この1年ほど、トイプードルが飼い易いということで探していた。その店に入ったとき、ジジは柵のなかで寝ていた。しかし、家内と覗き込むと起き出して、尻尾がちぎれんばかりに振って近づいてきた。いまもこの習性はかわらない。とにかく人間が好きだ。誰でもだ。精一杯の喜びの表現として、尻尾を振り、嘗め回し、絡みつく。お客さんが2人いれば、どちらかだけということは無く、順番に挨拶する。トイレも2週間で覚えた。自分の小屋のなかでしか用を足さない(たまには失敗するが)。お座りはする、お手はする、お代わりもできる。餌を前にして、震えながらも待てができる。膝にのせてくれと甘えるが、無視すればあきらめる。ほっとけば寝てしまう。これまで吠えたのは2−3回だ。それもゴルフクラブに異常に反応したときくらいだ。ただ先日は、ラジコンカーを動かしたら、相当ビビったらしい。始めて、低いウーといううなり声をあげ、最後は部屋から逃げ出してしまった。よほど、ラジコンカーであとを追い掛け回そうかと思ったが、気の毒でやめた。


 小さい頃、犬を飼っていた。2年で死んでしまったが、いつでも自転車の後ろにのせて遊びに行っていた。しかし、家では外につなぎ、餌を食べるか、寝てるかだった。また、よく逃げ出そうとして、子供ながらに真剣に走って追い掛け回したものだ。それはそれでかわいがっていたが、ジジとは違う生き物のようだ。ジジのしつけは家内が担当した。飼う前の事前勉強が大いに役立っている。犬の育て方という本にも先人の知恵が蓄えられている。子供の頃にはこんな本はなかった。知っていれば、もう少し、おりこうな犬に育っていたかもしれない。

 
トイ・プードルの飼い方・しつけ方プードルと暮らすための101のコツ
 ただ、本当に重要なのは、ジジのDNAのような気がする。どうやら、人とともに暮らし、自らが精一杯人を好きになり、人を喜ばせることが自分の喜びであり、それが人を癒すということを本能で身につけているようだ。この1ヶ月は、予期せぬ、かなり強いストレスがあったが、おかげで救われた。


でも、うんこを食べるのはやめてね。