自分中心主義

機内で読んだ本。

スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)

スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)



人々がスピリチュアルに求める本質は、「私」という存在に対する全面的肯定であり、「いまの自分の明るい気分」ではないかと言う。

たとえば、今回の旅行のように、何かトラブルが起きる。そのトラブルの根源は航空機会社にあるのではなく、自分にあり、それはある種の試練や修行だと考える。そう考えれば、トラブルは、苦難ではなく機会であり、結果として、明るい気分でいられる。さらに、作者は科学者であり、科学で証明されていないことを信じることは、どうなのだろうかと考える。ユングのような心理学者がやがてチベット宗教に行き着いたことの理由も消化しきれない。いまのスピリチュアルのブームは、多少怪しくても、信じることで、自分の気分が良くなるならよいという考え方に基づいていると考察している。

自分自身の場合、楽観的で、深く落ち込まない思考パターンが、築かれてきた理由を明確には語れない。小さいころから心理学をはじめ、最近ではリーダーシップ、コミュニケーションなど、人が考えたり、行動したりする理由について興味を持ってきたこともあるかもしれない。今回の旅行における、自分の思考パターンは、この本で分析されている自分中心主義と大差はない。

アメリカにいると、何故だか、信じられないようなおバカな出来事に出くわす。こんなことで、いちいち、落ち込んでいると、それこそ、バカバカしくなる。同時にどんどんとたくましくなる。動揺しなくなるのか、不感症になるのか。結果オーライだから、ますます、その思考パターンを深めてゆく。

そんなことまでが、わかり始める。