韓国のB級グルメ

 B級グルメついでにもうひとつ。昨年やっと家内の口にも合うようになったのが、韓国流ジャージャー麺。韓国流というところが肝心。名前は同じであるが、中華料理の辛目の挽肉炒めをのせた麺とは随分違う。


 始めて出会ったのが、これもアメリカ。フラっと入った中華料理店。ロスアンジェルスの韓国人街にある店。そのときは無難に、発音が簡単なFried Noodle(やきそば)を頼んだ。そのときは、その量の多さに驚いた。しかし、もっと驚いたのが、周りの客が食べている真っ黒なあんがたっぷりかかった麺。翌日、韓国人の友人に聞くと、ジャージャー麺(ミャンと発音していた)とのこと。

 そして、再度訪問した際に食べてみた。間違いなく、この味は日本には無い。辛くは無い。甘くも無い。いわゆる旨みやダシの味でも無い。あえて言うと、しょっぱくない味噌という感じか。それで麺は手打ちでかなり旨い。

 これと同じジャージャー麺を新宿で見つけたときは喜んだ。特に、最近は昔の職安通りに、韓国人経営の本格的な韓国料理店がならび、これをだす店をいくつか発見できるようになった。とりあえず、新宿飯店。

韓国ブームだと言うが、このジャージャー麺は未だブレーク前。日本人の舌に合わないという見方もある。昨年、韓国に旅行にいった際にも、わざわざこれを食べに行った。その際、隣に座っていた日本人夫婦が、味が変なので頼まない方が良いですよ、とまで忠告してくれた。が、実は、同じ呼び名であるが違うものということを認識していなかったせいだと思っている。食べると、「辛くないじゃないか」、「味がしないじゃないか」のような期待の裏切りが、こういう感想につながるのだろう。

 韓国では、ブラックデイと呼ばれる日まであるらしい。彼氏や彼女が居ない若者たちが集まって、これを食べるのだとか。そんなメジャーな韓国のB級グルメなのに、どうも日本人には馴染まないようだ。思い込みや既成概念とは、旨いものにまで影響を及ぼすらしい。