うこんのおかげ

 恵比寿で寄り道をするようになって1年以上。最初は、毎週日曜日のR-Body帰りの昼飯から始まった。わずか1時間とはいえ、ヘロヘロになった体を、さらに動けなくするのが、舌呑(ぜっとん)だ。名古屋でアグレッシブに展開しているチェーンの東京進出店らしい。平日は知らないが、日曜日のランチとデザートはお得だ。「うなぎの石焼まぶし」。あの名古屋名物、ひつまぶしを、石焼でだす。ひつまぶしは、3つの食べ方を楽しむというのは良く言われているところ。最初は、盛り付けられたまま3分の1を食べる。次は、ぐちゃぐちゃにかき混ぜて食べる。最後に、だし汁をかけ、お茶漬け風に食べる。これに石焼の香ばしさが加わる。


 特に、この店の日曜日のランチのバリューが高いのは、のみ放題のドリンク。そこに、白ワインの大きなボトルまである。昼間から酒を飲むという罪悪感と合わせ、なんとも言い表せない緩んだ気持ちになる。昔は決して、酒が強いほうではなかった。ある水準を越えると、急に酔いが回り、翌日は2日酔いになることが常だった。そのため、飲みすぎ、酔いすぎには随分と警戒してきた。


 しかし、最近は飲んでも、翌日がつらいことは、めったに無い。そのおかげで、夜も恵比寿に足を運ぶことが増えた。特に、恵比寿は渋谷と違い、飲んだり、食べたりする店が多いわりに、人が少ない。そのため、すごす時間に対するくつろぎ度の価値が高い。


 飲んで、友人と楽しく過ごす。こんな喜びをこの年にして始めて味わっている。これができるようになった鍵は、悪酔いしなくなったことだ。実は、これには秘密がある。どうやら、うこんのおかげのようだ。これを飲んでから妙に調子が良い。仕事にもプラスだ。気がかりなのは、健康診断では毎年、肝臓の数値が悪いことだ。ただ、こちらは、飲みすぎではなく、太りすぎのせいらしい。