古くて新しいのか、進歩していないのか
パンクに定義はあるのだろうか。どうやら演奏の仕方のようだ。このいくつかのCDを聞けばそれが良くわかる。
- アーティスト: BEAT CRUSADERS,桑田佳祐,ヒダカトオル
- 出版社/メーカー: DefSTAR RECORDS
- 発売日: 2005/09/07
- メディア: CD
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- アーティスト: locofrank
- 出版社/メーカー: QQS DISTRIBUTION
- 発売日: 2005/08/24
- メディア: CD
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彼らのような、最近(私にとってだが)日本に登場してきているインディーズといわれるバンドの気持ちよさを解く鍵は、どうやらこのあたりにありそうだ。パンクが好きだと人に語ると最初の反応は「若いですね」とくる。そのとおり、ビートはかなり速く、ギターは良い具合に歪んでいる。
しかし、彼らが演奏しているカバーを聞いて、わかったことがある。これは「懐かしい」のだ。昔、洋楽でも、ロックと言われるバンドは決して多く無かった。きっと、メジャーデビューするのがたいへんで、さらに英国や米国で売れて、日本にまで進出できるバンドは随分と絞り込まれていたのだろう。そのため、ある意味ではロックというジャンルは画一的だった。ギターを持てば、どうせ誰もがSmoke on the waterあたりからはじめたのだろう。さらに、日本人のロックは、リズム感や英語の発音が悪く、「似たようなもの」という扱いだった。
それが、いま、私が聞いている、パンク、インディーズに分類されている彼らは、きれいな発音の英語で歌い、気持ち良く、速いリフを繰り返す。パンクというとアナーキーな印象があるが、実は古いのだ。30年間の月日を経て、日本の若者たちは、この音楽を自分のものにしたようだ。そして、テクニックと機材は、確実に進歩している。昔は、こんなに速く、上手に演奏できるやつらはいなかった。