花粉症は国境を越える

米軍厚木基地のゴルフ場に誘ってもらった。基地には初めて入った。住宅街の真ん中。ゴルフ場の金網を隔てて、ごく普通の民家が並ぶ。小金井カントリーが、こんな趣だと聞くが、いったことが無いので確かめようがない。米軍基地というと、村上龍氏が描く、遠い世界と思っていた。

限りなく透明に近いブルー

限りなく透明に近いブルー

考えてみれば、この小説を読んでから、30年近く。もしかすると、福生と厚木の違いはもちろんあるが、この場所は、それよりももっと長い時間、ほとんど変わっていないのではないか。
特に、東京の日々かわる姿に慣れてしまった目には、ほんとうに素朴な場所だ。豪華なもの、派手なものは一切ない。米国にいた際に、暇をみては通ったコースに良く似ている。また、バブル崩壊後、日本のゴルフ場も随分と安くなった。ゴルフを始めたころ、「米軍基地って、すごく安くプレイができるらしい」と話していた会話が成り立つほどでも無い。とはいえ、ゴルフの楽しみは、コースだけではない。一緒にラウンドしてくれた、米国人の親子には楽しい時をすごさせてもらった。


ただ、息子や娘と同年代の、スリムでかわいい米国の女の子に、完璧な日本語で、「花粉症大丈夫ですか?」と聞かれたときには驚いた。花粉症は、この金網を容易に超えて、彼女を悩ませている。ゴルフには国境がない。どうやら、花粉症までもが、年齢、性別、腕前、国境に関係なくゴルファーをおそっているようだ。


また、やりましょうね。